医療法人監査を理解するために
知っておきたい基礎知識
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監査って義務なの?
すべての医療法人に課された義務ではありません。対象となる医療法人があります。
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監査を受けないと罰則があるの?
もし、監査を行う義務がある医療法人が、監査を行わないと罰則があります。
医療法人監査とは?
平成29年4月2日以降に開始する事業年度から(3月決算の場合:平成30年4月1日開始事業年度)一定規模以上の医療法人は、公認会計士・監査法人による監査を受けることが義務付けられました。
「監査」というと、「捜査」のようなイメージをされる方もいますが、「公認会計士監査」は決算書等(医療法人の場合は主に財産目録・貸借対照表及び損益計算書)が会計基準に準拠して正しく表示されているかを第三者である公認会計士が“保証”する行為のことをいいます。監査は、不正を暴くような類いの行為ではありません。
また、「監査なんて、株式上場している会社だけの話でしょ?」という誤解をお持ちの方もいるようです。
監査は、上場している会社だけでなく、医療法人も監査の対象となります。
監査は義務なのか?
多様な利害関係者(地域社会・利用者である患者・職員・政府・金融機関等)に対し、公認会計士が独立した第三者として、医療法人の計算書類(財産目録・貸借対照表及び損益計算書等)が法令に準拠して作成されているかについての信頼性を担保することが医療法人監査の目的ですが、すべての医療法人に課された義務ではありません。
監査対象となる医療法人等は次の通りです。
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1
最終会計年度にかかる負債額の合計が50億円以上、又は収益額の合計が70億円以上である医療法人
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2
最終会計年度にかかる負債額の合計が20億円以上、又は収益額の合計が10億円以上である社会医療法人
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3
社会医療法人債を発行している社会医療法人
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4
地域医療連携推進法人
監査を怠った場合のペナルティーは?
監査対象医療法人の理事長には、下記三点の責任があります。
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1
不正又は誤謬(ごびゅう)による重要な虚偽記載がない計算書類等を作成・公告する責任
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2
当該計算書類等を作成するための内部統制を整備及び運用する責任
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3
公認会計士等による当該計算書類等の監査を受け、計算書類等、事業報告書、監事及び公認会計士等による監査報告書を主たる事務所に一定期間備置し、毎会計年度終了後に都道府県知事に届出する責任
監査を行う義務がある医療法人が監査を行わない場合、罰則があります。罰則規定は、医療法第93条